超精密な自己分析が可能で、105問の質問に答えるだけで自分を構成する8項目の性格を明確にすることができるというしろもの。
企業の人事目的の適性検査並みに本格的な分析が可能だという。
自分の適性や思考、得意分野を知ることで失敗のない仕事選びをすることができるなどの利点があるらしい。
お仕事卒業組とすればもう関係ないのではあるが、自分の深層心理にはすこぶる興味がわく。早速やってみた。
直感でやっていかないと100問を超える質問に疲れてしまう。
ものの数分で分析表のメールがきた。
ほ、ほおぅー。
好奇心強め・ポジティブ思考・なかなか図太い・考えすぎない・少しこだわる・協調性すくなめ・そこそこ社交的・スーパードライ
この8性格が私を構成しているらしい。
「誰のこと?」というのが正直な感覚だった。
裏返しのマイナス面も抽出して知らせてくれる。
いい加減・失敗が多い・ズボラ・脈絡がない・利用される・無頓着・無神経・傲慢
思わず笑ってしまった。さんざんじゃん!
これまた、首をひねる個所と思い当たる部分と・・・
何度かやると結果が変わる。それはそれでいいらしい。
また、質問に答えていると矛盾する質問が意図的に入っていることに気づくが、それもそれでいいものらしい。
「あまり考えずに素直に答える」よう指示されるのだが、素の自分って今やどこにあるのだろうと考えてしまった。
長く社会人してきたせいで、自分はおそらく精神構造まで改造されてしまっているのではないのだろうか、との思いが浮かびながらの回答だった。
なぜなら、過去上司から命令されれば逆らう道はなく、時間外の付き合いも「今日は飲みに行くぞ」と言えば付いていくのみ。「歌え」と言われれば、苦手だろうが歌うしかなく。本当は人前に立つことすら苦手で、できるなら大勢の中に埋もれて生きていきたいと思っても、長く仕事をしているとそれが出来なくなる。
いやでも中堅になり立場上の処世術を身につけていく。
私は子どもの頃から集団行動が苦手だった。運動会や修学旅行など、一般の子どもが楽しみにする行事は大嫌いで苦痛の何物でもなく、修学旅行が近づいてきたときは気持ちが沈み、天変地異が起こらないものかと本気で考えたものだ。
だからといって逃げ出す勇気はなく、旅行から帰宅後は精神疲労で丸二日眠り込み、両親が死んだのかと心配するほどだった。
だから就職してからも定例の宴会がいやでたまらなかったものだ。
ただ、大手企業にありがちな各部署の余興を企画するのは楽しかった。出来るだけ指名されないように気配を消すのだが、ひとたび指名されたら「やる以上は優勝するぞ」とばかり密かに趣向を凝らしてしまい、その結果優勝を勝ち取り仲間から一目置かれたことがある。その矛盾は自分でも不思議な記憶だ。
その後、後輩や部下を指導する立場になると、自分の気持ちは二の次になる。「ここはこう言うべき」とか「こうするべき」「こうしなければならない」などで長い間生きてくると、いつの間にか「こうあるべき」自分が形づくられてしまうのだ。
自己テストの答えを「素直な自分の気持ちで」はもう書けない。
ほんとうの自分を改めて考えたときすでにわからなくなっている。昔はこういう人だった、ということはできるのだが。
私はまだ殻をかぶっているだけで、殻を剥げば昔の自分がそのまま残っているのだろうか、それとも長く生きてきたために進化して、違う自分になってしまったのだろうか。
ともあれ、興味を引く性格チェックだった。
もちろん無料。より詳細に深堀したい人には有料コースもあるようで興味は尽きないかもしれない。