今回の改正案で訪問介護報酬の削減が挙げられている。
現場に言わせるととんでもない話! その分処遇改善を上げるからとか?!
それって、当事者の存在を認めていないことにならないか。
ヘルパーの誇りはどうする気だ!
訪問介護の収支がプラスだからだと。
それはね、あなた方が長い歴史の中でヘルパーをないがしろにしてきたから、彼らは自分たちで生きる道を見つけ、箱モノに寄生して自力で生き残ってきたからじゃないの。
住宅型やサ高住に併設することで、効率の良い訪問と安定した顧客を獲得してきたんでしょうが。
それを統計したためにプラスに見えているだけで、交通費やかかる時間の対価も何も支給されない中で、役員の身銭をきって継続している従来の個別訪問の大変さは何ら変わってないのですよ。
アンタがた! いったいどこ見てんのよ!
それにもうひとつ、2006年4月に鳴り物入りで新設された、宅老所から発した泊り、通い、訪問の365日安心介護として、その後改正を重ねてきた小規模多機能型居宅介護の存在がみえかくれするのだが。
行政は小規模多機能型居宅介護を、助成金をふんだんに使い拡大を進めてきたが、いまだに振るわず人気があるとは言えない事業体。
今回の報酬改正で「訪問介護を使いたければ小多機に契約しなさい」とささやかれている気がするのは思い過ごしか。
話はソレるが、小多機の振るわない原因は、ひそかにみんな分かっている。
それは、小多機移行時にケアマネジャーを交代しなければならないことに他ならない。
在宅プランを担当するケアマネは「この利用者さんは小規模多機能に向いている」と思うことはままある。が、みすみす同じ在宅扱いの小多機に、自分の利用者さんを減らしてまで紹介する、ご奇特なケアマネがどれだけいるだろうか。
これは、在宅の担当ケアマネがそのまま小多機のプランを継続できるようにすれば問題は解決する。
たしかに小多機のプランを作成するには、密着型の特別な研修を時間と費用をかけて受ける必要があり、小多機特有の臨機応変のプランを担当するには密度が高い対応をもとめられると思われるが、それは一般在宅の利用者の報酬より付加価値を付けることで解決するだろう。
そうすればケアマネはどんどん小多機を紹介するようになるにちがいない。小多機は様変わりして、大入り満員で大人気の事業体になることだろう。
さらにその過程は、ケアマネジャーにも大きな励みとなるに違いない。
ともあれ、訪問介護の報酬削減は、介護者のさらなるヘルパー離れを助長してしまう。
法改正に携わる者たちは、寝たきり介護で職を捨て介護に専念せざるを得ない家族や、片時も目を離せず、何年も引きこもりのまま介護を続けている人にとって、訪問介護は水や電気と同じように、生きていくために必須の大事なインフラなのだということを知るべきだ。
介護の原点は訪問介護にあると思っている。これを崩すことは介護保険の崩壊が近いことを示唆しているような気がしてならない。