愛犬と海と日常

貧乏性を抜け出して優雅に時間を使えないものか

海そばで暮らしてみたら

仲介業者の車で現地に近づくにつれ気持ちがはやる。車が止まるのを待ちかねてドアを開けると、エアコンの空気の中に一気に潮の香りが入ってきた。動悸がするほど興奮!(歳のせいか?)

たちまち体がべっとりになりそうな潮の空気。う~ん、これこれ。気持ちはもう砂浜に走っている。では早速と促され、先に部屋の中を確認したがその時はあまり覚えていない。無駄に部屋数があるなという感想のみ。ベランダは海側になく国道沿いに向いており、やたら救急車が赤色灯を鳴らして走るなあ、と思った。つまりオーシャンビューではないわけで・・が、玄関を出るとそう、2分で海が広がっていたのですよ

早々に室内見学を終えて、海、海、海へと走った(気持ち。実際は歩いた)

ウインドサーフィンが二つ、三つ沖に見える。一つが浜に近づいてきて横倒しになる。えっ?! それって転んだ(?)それとも引き上げて海から上がる姿勢? マリンスポーツとは全く縁のない、ど素人の自分には判断も付かない。

パーマのかかった長めの髪が潮水をひたたらせて太陽にきらきら光り、真っ黒に日焼けした男性が鍛え上げた身体で海から上がってくる。ボードを引っ張る度に分厚い胸元の筋肉が動くのが分かる。

近づいて驚いた。若者かと思いきや60歳はとうに超えたと思われる風貌、70歳かもしれない。長年潮で焼いたと思われる皮膚特有の色の顔には無数のしわが刻まれていて豊かな表情をしていた。こんなふうに歳をとる人がいることに感動し、しばらく目を奪われた。

ふう~ん・・!

日常に忙殺されて老けていく場合じゃない、ぞっ!! 本気でそう思えた瞬間。

何かが変わっていきそうな予感。よし、物件契約を決めた。