愛犬と海と日常

貧乏性を抜け出して優雅に時間を使えないものか

母がまたトイレを詰まらせた

母がショートステイに出かけた後に、いつもの専門業者さんを呼んだ。

この頃は刺激を与えると落ち込んでしまい、その後の対応が大変になるからだ。

それまで、自分たちでスッポンスッポンと何度も格闘したが水は引く気配がなく、サイズが合うものを買いにいくが、種類が少なくて満足なものが見つからずどうしようもない。

母専用のトイレだから、まさに誰のせいでもないのだが、当の本人は悪びれもせずテレビを見ている様子に、無性に腹が立ってしかたない。

 

詰まりの理由を聞いても無駄なことはよくわかるが、やっぱり聞かずにいられない。予想通り、まとまりのない言い訳のような話にまた苛立ってしまう。

Amazonでサイズに合うものを注文した。次の日届いたのでもう一度格闘したが、結局Amazonもあっさり負けた。

そこで一番上の行に戻るわけだ。

 

小一時間もすると、業者さんの表情が真剣になってきた。

「おかしいなあ、何も出ないのに水が流れない」としきりと首をひねる。便座をはずし、便座の中の通路をワイヤーで通してみたがそこには詰まりがないという。

下水側から電動ワイヤーがウィンウィンと少しずつ6メータ、8メータと進行する。普段見ることのない専門の道具に、目を見張ってしまい興味津々だったが、業者さんは困り果て「こんなことは初めてなんですが」と、既に3時間目に突入。

 

「最後にもう一度」と、トイレ側から電動ワイヤーを通してたっぷりの水を流したところ、ドオーッ!という音が聞こえたような気がしたと同時に、両手にあふれんばかりの(手で受けたわけではない)大きな塊が出た。

こわごわ、棒で突っつくと塊がホカッと割れ、どうやらティッシュのよう。それもポケットティッシュのような形態に見える。ポケットティッシュの独特の折り方そのままに幾重にも重なって残っていたのだ。

 

母はいつも通りの無表情な顔でショートステイからご帰還になる。もうトイレつまりのことは覚えていない様子。そうなると意地悪虫が動き出す。

顛末を話すと予想通り。

「へえー?、そおーっ?」と他人事の返事、あげくに「私じゃないよ」

はい、はい。伝えた私が悪かった。結局、母には何も吸収せず自分に跳ね返り、消化しない不機嫌と付き合うことになる。ふう~・・