愛犬と海と日常

あ~、やっぱり貧乏性は治らない。また忙しくなってきた~。

犬が痙攣を起こし泡を吹く

17年一緒に暮らした愛犬ナツが、いつもいるところに居ない

昨日激しい痙攣をおこし、緊急入院となった。

 

それはいきなり始まった。その日私は朝から頭痛がひどく気分が悪かった。

ここ数カ月にナツの老衰が進み、日常の全て昼夜に関わらず介護が必要になっていたから、かなり睡眠不足が蓄積していたのだろう。もちろんオムツ着用だが、まだ尿意や便意があるため2~3時間おきに声を出して呼ぶ。細くなった体が痛くないように、抱きかかえるようにして起こしてゆっくり立たせるとふらつきながらも自力で歩き、庭に出ようとするので介助し排泄をさせる毎日だった。

 

わたしは頭痛が治まらずあまりに具合が良くないので、2階に行って休もうと思っていた矢先だった、足元からパクパクという音が聞こえ、見るとナツが全身硬直し激しく痙攣し口から泡を吹いている。

一気に緊張状態になり、頭痛が吹っ飛んだ。

 

背中をさすり様子を見るがおさまりそうにない。痙攣が長く続くとよくない、夫に車をだしてもらい、一番近い病院に駆け込んだ。

 

その間もナツは固い体で泡を吹き続ける。診療台に乗せたら医師はすぐに血液検査と並行して痙攣止めの注射をする。1本、2本、痙攣はおさまらず3本。ようやく泡が止まり、少し体が曲がるようになる。「早く痙攣を止めたい」と、しばらく置いて医師はもう1本注射を打った。ナツの体はたちまち震えが止まり、四肢が柔らかく曲がった。

 

眠ったようになる。しばらく眠らせたいと医師。

肝臓がすでにずいぶん悪いナツ。こんなに強い薬を打って大丈夫だろうか、でもこうしなければ痙攣は止まらなかった。

 

「入院させますか」との問いに「どうするのが良いのでしょうか、入院中にもしもの時が心配です」と答える「そうなんだよね、飼い主さんが決めるしかないです」「ただ、連れて帰っても出来ることは何もありませんよ」と医師。

 

その言葉で決めた。「お願いします。でも夜間はどうなりますか?」だって、人間の病院ならともかく、動物病院に夜勤者はいない。医師は「うーん、今夜は僕が泊まるかもしれない」カモに引っかかったが、言葉には出さない。預けるのを決めた以上不安になるだけだからだ。

「しばらく寝てもらいますから」と医師が繰り返した「薬で、ですよね」「そうそう」

うちに帰ればいつものあたたかい部屋で、ふかふかの布団で24時間看てやれる。だが、何か起こった時には対処ができない。
夜間に動物病院に電話をしても、誰もでてくれないことはわかっていたし、夜間専門病院は、緊急時には自宅から遠すぎた。
連れて帰るなら緊急用に座薬を出す、と言われたが注射4本でやっとおさまった痙攣が座薬で止まるものだろうか、またそれで止まる座薬なら尚さら怖い。
ナツの弱った肝臓には大きな負担となる。

 

入院させれば24時間の点滴処置で体の管理は出来る。が、夜間にふと目を覚ました時、動きはしないか、家にいる時のように起きかけて変な体位で痛がって泣かないだろうか、その時医師が気づかなかったら。
急に寒くなったのにあったかい部屋で過ごせるのだろうか、同じ姿勢で寝かせっぱなしだとすぐに褥瘡を作ってしまうのに。
など、心配は尽きず頭の中がぐるぐるして、涙ばかりがでて仕方がなかった。

 

引き裂かれるような思いで帰宅し、しばし放心状態。

親が入院した時もこんなに心配したことはなかったっけ、とふと考える。

いつも、そこに横たわっているはずのナツがいないのは、ほんとにポッカリと大きな空間だった。
心なしかマルプーのフウタも声もたてずおとなしい、それが余計悲しく涙が止まらない。「まてまて、ちゃんと生きてるよ」って自分に言い聞かせる。

 

抱きかかえたナツの感触や重み、お風呂をとても嫌がるのでもう長く入れていない、暖かい日はシャワーがやっと。それも悲痛な顔をして泣くため、普段はウェットタオルでお尻をふくだけの、オムツが外せなくなったナツの特有の臭い。

介助をするときに付いたヨダレの感触や、オムツ変えの時にお尻をかかえると、手に触れる尿のあたたかさ・・

 

だって、私が一番真剣に人生を歩いていた時一緒に居てくれたんだもの。一緒に仕事した時期もあって、私の顔を見ると机の下から嬉しそうにしてたよね。

 

生きてるものはいつか死ぬって、わかってるけどね。

こんなに宝物だったなんて。

明日、様子を見に行って出来るなら連れて帰ろう。