うん、うん!可愛い、かわいい。と思うのは飼い主だけえ~。
まるで愛しい幼子や孫を愛でるように、愛犬のドレスアップにほれぼれしてしまう
おバカ飼い主。
気持ちよさげに眠っている高齢犬を、なんども起こしては仮縫い(?)をして作成したオーダーメイドなのだ。
思えば私は洋裁師の娘だったことを長く忘れていた。
母は私が小学校に上がるころにはもう職を変えていたから。
思い出せば、幼いころから足踏みミシンの音で育った。
注文いただいた上等な生地を上手に裁ちあげては、子供の一着分を切り出し私に作ってくれるのだった。
おかげで子供の頃はずっと、裕福でもないのにオーダーメイドの高価な服を身に纏うことが出来ていた。
中学に上がるころは坊主の手習いで、見よう見まねの手提げ袋や帽子などの小物を作っていた記憶がある。
高校生の頃には洋服は自分で作っていたっけ。
基礎から教えようとする母の言うことは聞かず、型紙も無しに作っていたのを覚えている。きっちり作れないというのはごまかしが効くということでもある。
母から見たら、逐一文句を言いたくなる仕上がりだったに違いないが、なんとか見栄えが整っているものは出来ていたように思うので
「よくそれだけいい加減に出来るもんだ」とか「あんたは器用やね、私にゃ出来ん」などと言っていたが、そのうち何も言わなくなった。
〇〇十年ぶりにミシンをとりだしたら油も切れ、どこもかしこも埃が層になっている。
当時のブラザー足踏みミシンを愛着から処分しきれず、ポータブル型に作り替えたものだったからやたら重かった。4~5時間ほど古いミシンと格闘したが一針も縫えず、衝動的に処分することに決めた。
さて、新しいのを買うためにネットを物色して驚いた。今こんなに安くて買えるのオ。
しかも、そこそこメーカー品が。
ジャノメミシンがアマゾンで15.000円ほど。
に、しようと思ったが、楽天でシンガーミシンが10.000円で買えた。
これは手元スイッチではなく、足踏みコントローラーが付いていたから。
やはり、足元で速度調節しながら両手が自由になるほうが魅力的に思えた。
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三日ほど到着を待って、届くなり勢いで縫ったのがこの愛犬ドレス。
とても軽いが、5キロほどはあるので安定感はいうことなし。
DVDが付いていて丁寧に使い方を説明してくれる。
「わかってるよー」と思いながらも見て良かった。
操作があまりに簡単になっているのに驚いた。
アクセルを踏みなれている足なら、問題なくすぐにミシンと一体化することが出来る。
直線縫いはもとよりジグザクも安定。手元で返し縫が出来るため糸の始末も簡単。
古いミシンでてこずった後だけに、この縫いっぷりがうれしくて楽しくて、一針ひとはり昔を思い出しながら縫った。
母も気持ちが浮き立つのだろう。5分おきくらいに部屋をのぞきに来ては口を出す。「どれ、布を見せてごらん」「この裁ちばさみを使いなさい」など、
ハサミを持ってきたり、目打ちを持ってきたり、しまいには「教えてやるからかしてごらん」
「犬の服だけど教えてくれるの?」と言うと「あーそー、犬はわからん」と部屋を出る。しばらくすると今度は「もう、出来たね」と顔をだす。
その繰り返しが、果てもなく続きそうだったのでいい加減うるさくなって、「あのね、5分や10分じゃ出来ないでしょ。何回同じこと言ってるかわかってるー!」と怒ると来なくなった。あっはっは~!